SOS緊急対応

歯・口の外傷の場合には、受傷した歯、歯の周囲軟組織あるいは歯槽骨や顎骨に対する処置が関係してきます。
教員およびスポーツ指導者は応急の処置を行い、受傷状況の記録を行い、保護者に連絡し、学校歯科医やかかりつけ歯科医と連携をとり適切な行動をとる必要があります。
歯・口腔・顎顔面外傷の内容と対応処置についてご紹介します。

対応と処置について

周囲軟組織の裂傷や出血などに対しては適法にしたがって消毒と圧迫止血が中心になります。
骨折を伴う場合や意識障害がある場合は口腔外科や適切な病院へ搬送することになります。
特に歯が欠けたり、抜けたりした場合は保存液に入れ、直ちに学校歯科医やかかりつけ歯科医を受診しなければなりません。

イメージ

歯の破折

「破折」とは、歯が折れた状態です。その場合には折れた歯そのものから出血していないか確認して下さい。出血が見られたら歯髄の処置が必要なので直ちに学校歯科医か、かかりつけ歯科医を受診して下さい。出血がない場合には時間的に余裕があります。その際、大きな破折片があれば持っていってください。

救急ポイント

歯髄が露出して出血しているかどうか。

→①出血している
歯髄が感染しないようできるだけ早く学校歯科医又は、かかりつけ歯科医の診療所へ。

→②抜けていない
学校歯科医又は、かかりつけ歯科医に連絡。

アドバイス

折れた歯の破折片を持っていくと使える時もある。

イメージ

脱臼

「脱臼」とは、歯が抜けてしまった(完全脱臼)か、抜けそうな状態(不完全脱臼)をいいます。抜けてしまった場合は、歯の保存液(なければ、牛乳か生理食塩水)をかけて汚れを軽く落としてから同じ液を入れた容器に歯を入れて直ちに学校歯科医か、かかりつけ歯科医を受診して下さい。抜けそうな場合も直ちに受診してください。

救急ポイント

顎骨に異常はないか、局所だけの問題かどうか。完全に抜けてしまっているかどうか。

→①完全に抜けている
汚れている場合には少量の保存液をかけてから保存液(なければ牛乳、生理的食塩水)に保存。再植の成功確率は抜けてからの時間との勝負になる。歯髄が感染しないようできるだけ早く学校歯科医又は、かかりつけ歯科医の診療所へ。

→②抜けていない
学校歯科医又は、かかりつけ歯科医に連絡。

アドバイス

あわてないことが大切。

イメージ

陥入

「陥入」とは、歯が歯ぐきの中に潜ってしまった状態です。これはケガの程度がかなり重いと考えられます。 歯や口の状態以外にも意識があるか確認して、直ちに学校歯科医か、かかりつけ歯科医に連絡して下さい。意識障害がある時は病院への搬送が必要な場合もあります。

救急ポイント

外傷の程度が重篤な場合が多い。意識状況も要注意。

アドバイス

意識の確認。外傷の消毒。学校歯科医又は、かかりつけ歯科医へ連絡。

イメージ

顎骨骨折

「顎骨骨折」とは、上あごや下あごの骨が折れた状態をいいます。歯や口のけがの中では最も重症なものです。意識を確認し、簡単な消毒をして至急学校歯科医か、かかりつけ歯科医に連絡をとり、病院(口腔外科)に搬送してください。

救急ポイント

外傷の程度が重篤な場合が多い。意識状況も要注意。

アドバイス

意識の確認。外傷の消毒。学校歯科医又は、かかりつけ歯科医へ連絡。口腔外科へ搬送したい。

イメージ

軟組織のケガ

「軟組織外傷」とは、唇や歯ぐきや舌のケガをいいます。歯の外傷に伴って起きていることも多いので、この場合には学校歯科医か、かかりつけ歯科医に連絡を取って判断を仰いで下さい。唇の外傷は放置すると硬結して変形することもあるので歯科医療機関を受診することが大切です。

救急ポイント

顔面や口唇のケガも学校歯科医又は、かかりつけ歯科医へ連絡。砂や小石の埋入、感染に注意する。

アドバイス

唇と歯肉を結ぶ上唇小帯の裂傷も多い。

イメージ
TOPへ