よくある質問

学校関係・保護者のみなさま

保健管理に関する質問

A

健康診断のときに要観察「2」と指摘されたら、どの部位、どの状態が要観察なのか、説明をよく聞いて子どもの歯並びの状態を確認してください。例えば、歯の生えかわりがおかしい、歯並びがガタガタしている、上下の歯がきちんと咬みあっていない等をよく観察してください。また、食事が食べにくい、発音がしにくい、顔の外見が気になる等があれば、養護教諭、学校歯科医あるいはかかりつけの歯科医に相談してみましょう。さらに次のような状態の場合、精密検査を受けることも検討した方がよいでしょう。

〇極端な受け口(反対咬合)や出っ歯(上顎前突)になっている
〇上あごと下あごが左右や前後に極端にずれている
〇奥歯でかんだとき前歯がかみ合わない
〇奥歯でかんだとき下の前歯が上の前歯にすっかり隠れてしまっている
〇歯と歯の隙間が大きい
〇歯並びが極端にガタガタしている 等

A

栄養バランス、食材を考え、歯ごたえのある食品をよくかんで食べるようにしましょう。また歯ならびや口の健全な成長、発育に悪影響を及ぼす習癖を直し、あごの骨や筋肉を鍛えるなどして、健全に口腔機能が発達するようにしましょう。
具体的には
〇歯列や咬合に悪い影響を与える次のような癖は、早く直すように努力しましょう
食事の時にいつも片側だけでかむ癖・頬づえをつく癖・うつ伏せ寝や横向き寝・指吸い、頬(ほっぺた)吸い、唇吸い、舌の突き出しなどの癖・口を開けていることが多い。
〇日ごろから、規則正しい生活習慣を身につけ、口を閉じて背筋を伸ばした姿勢を心がけましょう。
〇食事は時間をかけてよくかんで食べましょう。
〇話をするときには、相手に聞き取りやすいようにはっきりと発音するようにしましょう。
〇むし歯や歯周病にならないように、歯みがきを丁寧にしましょう。 
〇上の前歯が前に出ていると、口や歯をぶつけやすく、唇が切れたり、歯が折れたりし易いので気をつけましょう。

顎関節を含む口腔器官の健全な成長・発達を目指して、左右均等によくかんで食事をするように努力しましょう。必要以上に神経質になることはありませんが、1年に2回ぐらいはかかりつけの歯科医院で定期的に経過観察してもらうようにしましょう

また日頃から次のようなことに気を付けてください。
〇歯ぎしりや食いしばりをしないようにしましょう。
〇大きな物を無理に一口で食べたり、片側だけで食べたりしないように気をつけましょう。
〇わざとあごの関節の音を出すようなことはやめましょう。
〇できるだけ大きな口を開けないように心がけましょう。特にあくびをしたくなったときは要注意です。
〇頬づえをつく、いつも同じ方向を向いて寝るなどの習癖がある場合はやめるように努力しましょう。

保健教育

A

歯は、舌や頬や唇の圧力のバランスのとれた位置に並んでいます。このバランスが崩れると、歯の位置やかみ合わせに異常が生じます。かみ合わせのずれがひどくなると顎そのもののずれを生じさせることになります。圧力のバランスを崩す原因は、指しゃぶり、舌を前方に突き出す癖、唇をかむ癖、爪をかむ癖、歯ぎしり、偏咀嚼、頬づえ、いつも同じ向きに寝る、口呼吸などであり、生活習慣の中で見られるものがほとんどです。

A

悪い習癖を早めに直すようにすることや食事の好き嫌いなど偏食をなくすこと、よくかむことをお勧めします。歯みがき習慣を励行することも重要です。昔から、家族で食卓を囲んだとき、親は子供に、「姿勢をよくして、よくかみなさい」と注意をします。この言葉の中に質問に対する答えが入っていると思いませんか。まず姿勢を正すということです。頭がしっかりと安定していなくては、十分にかむ力を発揮することができません。首がふらふらしているようでは、首を支えている筋肉といっしょになって働く顎の筋肉の働きがしっかり発揮できないからです。首の筋肉もまた、全身の骨格や筋肉によって支えられています。つまり、かむことには、身体全体がかかわりを持っているのです。姿勢をよく保持するためには、身体全体を支えている足腰がしっかりしなくてはなりません。最近の子供たちは、家の中でテレビゲームなどをして遊ぶことが多く、外で運動して遊ぶことが少なくなっています。身体を動かすことが少なければお腹も空きませんし、食欲もなくなります。しっかりと運動し、正しい食習慣を身につけ、よくかんで食べることが大切です。

A

口を開けて音を立てて食べることは、「礼儀作法」の点からも決してよいことではありません。昔から言われてきている作法は、心身ともに健康であるために理に適ったことだとも言えます。口を開けて食べれば、食べ物をこぼしやすく、かむ回数も減少します。飲み込むための食塊の形成もうまくいかないために、飲み込むときには、口のまわりの筋肉を無理に使って飲み込むようになり、よくない嚥下の癖がついてくることにつながります。歯列やかみ合わせにも悪い影響が出てきます。
原因として、アレルギー性鼻炎、アデノイド(咽頭扁桃肥大)、口蓋扁桃肥大などの鼻咽腔疾患、また上顎前突などで唇をうまく閉鎖できないというようなこともあります。これらが原因の場合は、その疾患に対する治療が必要ですが、まずは家庭で、「口を閉じて食べようね」と声掛けすることが大切です。また、口を閉じて食べられるように姿勢を正しくして、口に食べ物を入れた状態でおしゃべりせず、落ち着いて食べるようにし、一口量を少なくするなどの工夫も必要でしょう。

A

片咀嚼は、むし歯や不正咬合によって引き起こされる場合もありますが、単なる癖で片咀嚼をしている場合もあります。片咀嚼が長期間続くと、顎関節の異常が生じたり、骨や筋肉の成長・発育に左右差が生じたりして、顔が曲がったりする可能性もあります。横向きでテレビを見ながら食事をする習慣も良くありません。良い姿勢で左右バランスよく噛む習慣をつけることが大切です。

A

各ケガに対する対処法はSOS緊急対応に記入しております。
詳しくはこちらからご確認ください。

学校歯科医のみなさま

保健管理に関する質問

A

「歯列・咬合」の検査及び判定基準は『学校歯科医の活動指針(令和3年改訂版)』p48-49に記載があります。大切なことは、治療的な視点より将来の口腔の健康の維持増進という教育的な視点での判断が望まれるということです。健康診断後のお知らせについては治療を促すのではなく、あくまでも専門医への相談を勧める程度にとどめることが重要です。

A

矯正治療中の「歯列・咬合」の判定は「1」(経過観察)とし、「矯正治療中」と歯科医師所見欄に記入します。また、健康診断後のお知らせについても歯列・咬合の欄は経過観察にチェックします。「1」(経過観察)ですので治療勧告者数には含めません。

A

口を開けるときや閉めるとき、かみしめたときにこめかみや頬、耳の前方・下方あたりに痛みがないか、口が開けにくかったり、閉じにくかったりしないか、ということを観察します。疼痛や開口・閉口障害が発現した場合には、精密検査を勧めた方が良いでしょう。

A

令和3年度から変更になります。癒合歯か癒着歯かわからない場合は癒着歯として学校歯科医所見欄に記入します。本数は前方の1本です。例えば、BCの下に記号として「ゆ」と記載し、現在歯はBになります。

A

「6.食べ物が飲みにくいことがありますか」については、摂食、嚥下機能が未発達のままになっている児童生徒もおり、また舌小帯の異常による嚥下障害等も考えられるので、普段の生活の情報を得るための設問として挙げています。嚥下機能は口腔の諸器官の連携による運動の結果ですので、食べ物を飲み込みにくそうにしている場合には、機能的・形態的に問題がある可能性があり注意する必要があります。
また、「7.口の臭いが気になりますか」については、日常生活において歯・口腔に関して気にしていることの一例として挙げています。歯肉炎に罹患していると口臭を感じる傾向が強いので、注意する必要があります。特に、思春期では口臭を気にする場合もあるので、原因究明と生徒への対応には考慮する必要があるということです。
公益財団法人日本学校保健会発行の『児童・生徒等の健康診断マニュアル(平成27年改訂)』の保健調査票の記載例として歯科項目は、以下の6項目が提示されています。マニュアルをもとに学校歯科医の活動指針が改訂されていますので、これら6項目を参考に各地域の実情に即した保健調査の実施が望まれます。以下に6項目を示します。

〇歯が痛んだりする
〇顎の関節が痛んだり音がしたりする
〇かみにくい、食べにくいと思うことがある
〇歯並びやかみ合わせが気になる
〇口の臭いが気になる
〇歯ぐきから血が出ることがある

A

「CO要相談」は、「隣接面や修復物下部の着色変化、むし歯の初期病変の症状が多数認められる場合」とされています。もともと、CO(要観察歯)を有する児童・生徒への対応は、学校での保健指導を基本としていますが、必要に応じて地域の歯科医療機関との連携を図ることになります。「CO要相談」の対象となるのは、歯列の状態、あるいは歯垢の付着状態や歯肉の状態などから推察される生活状況を勘案すると、学校での保健指導だけでは近い将来にむし歯が進行してしまう危険性が極めて高い児童生徒と考えられます。そのような場合には、単独歯のCOというより複数歯にCOの状態が認められることが一般的です。例えば、上顎前歯部歯頸部や隣接面でのCOが認められ、歯科医療機関での専門的な保健指導や予防処置が必要と考えられた場合には「CO要相談」として歯科医療機関の受診を勧めていただきたいと思います。学校での生活指導や清掃指導だけでは、むし歯が進行してしまう危険性がある場合には、COの本数にとらわれることなく所見欄に「CO要相談」と記入してください。

A

COかCか判定に迷った場合には、軽度判定にすることを基本としてスクリーニングします。しかしCO(要観察歯)かC(精密検査、要治療歯)の判断は、その児童・生徒のリスク因子等を考慮した上で慎重に判断することが大切です。CO(要観察歯)のある児童・生徒の事後措置は、学校での生活指導や清掃指導を中心とした保健指導であり、児童・生徒のとるべき行動としては「保健指導を受ける」ことです。一方、Cの事後措置は歯科医療機関で精密検査や治療が必要ということですので、児童・生徒のとるべき行動としては「歯科医療機関を受診する」ことになります。この視点で、判定してください。

A

要観察歯(CO)は、主として視診にて明らかなう窩が確認できないが、う歯の初期病変の徴候(白濁、白斑、褐色斑)が認められ、その経過を注意深く観察する必要がある歯と定義されており、乳歯・永久歯の区別はありません。

A

基本的にはその通りです。GO(歯周疾患要観察者)は歯肉炎を所有している児童・生徒ですが、歯石の沈着がなく、自らの清掃技術の向上と生活習慣の改善など保健指導によって炎症を抑えることができる状況を意味しています。歯肉炎は歯間乳頭に始まり、辺縁歯肉に拡大し、最終的に付着歯肉にまで拡大していく炎症です。一般的には、複数個所に炎症が認められることが多いと考えられます。歯垢の付着状況も勘案して、GO(歯周疾患要観察者)を判断してください。

A

エナメル質形成不全症そのものはむし歯ではありません。むし歯になる危険性があればCO(要観察歯)が適切です。Cは臨床的う蝕(clinical caries)なので、明らかなう窩の形成があり、要治療歯ということになります。

A

判定に迷った場合は、軽度判定にすることを基本とします。しかし、COとは「平滑面において、エナメル質の実質欠損は認められないが、脱灰を疑うような白濁や褐色斑等が認められるもの」とされていますので、軽度の白斑であったとしても歯垢の付着も勘案してCOと判定し、適切な事後措置実施に速やかに移行できるようにして下さい。

A

エナメル質形成不全は、むし歯の初期病変のCOとは異なり、歯の石灰化期になんらかの原因で石灰化が障害されたために引き起こされる「エナメル質減形成」あるいは「エナメル質石灰化不全」のことを指します。したがって、エナメル質形成不全が認められた場合は、現在歯とし、その他の疾病及び異常の欄にその旨を「エナメル質形成不全」と記載し、学校歯科医所見の欄には学校歯科医が特に指示する事項(歯科受診勧告など)を記載します。

A

現場で簡便に判定する目安として「デンタルミラーの直径の1/3以上」と記載されています。あくまで7~8mm以上という上顎前突の判定基準に基づいて判断して下さい。

A

日本学校歯科医会では、初期う蝕及び要観察歯(CO)の検出は、主に視診で行うように指導しています。歯面やう窩、軟化した実質欠損等に付着しているプラークや食渣などを取り除く時や、裂溝のシーラントやレジン充填等を確認する時など、歯科健康診断の補助的器具として探針が必要な場合もあり使用を禁止しているわけではありません。この点をしっかりと学校側に伝えて下さい。探針は、尖端が鋭利ではないものを使用するようにします。探針の代用品としてはWHOのCPIプローブが推奨されます。

A

近隣の学校と連携して受診者の数に合わせて器具を準備する方法や、センター方式を採用して器具を準備する方法が対策として考えられます。また、複数の歯科医師によって歯科健康診断を行う場合は、あらかじめ、各診査者間での診査基準が一致するように打ち合わせを行うことが必要となります。

A

スタンダード・プレコーション(標準予防策)の考え方を参考にしています。例えば、グローブが①血液、②汗を除く全ての体液・分泌物・排泄物、③健常でない皮膚、④粘膜に触れた場合は交換が必要です。これに加えて、歯を含め口腔内に触れた場合も交換が必要です。顎関節の診査において触診する必要がある場合、皮膚疾患や傷のない健常皮膚であればグローブ交換は必要ありません。歯列・咬合、歯垢、歯肉の診査において手指で口唇を制御する場合、粘膜に触れればグローブの交換が必要です。歯鏡を利用することで粘膜への接触は少なくなりますが、グローブの交換が頻回になったとしても診査に必要な手技は実施すべきと考えます。

A

歯科健康診断時に使用する器具の滅菌消毒方法について『児童生徒の健康診断マニュアル(平成27年度改訂)』に「器具はオートクレーブ等による滅菌が望ましい」と記載されています。各学校での滅菌機器導入が困難な場合、近隣の学校との連携やセンター方式の採用により、オートクレーブによる滅菌ができるよう学校や学校設置自治体の教育委員会と協議する必要があります。

A

摂食・嚥下機能の診査は重要と考えています。家庭での観察(保健調査)と学校での観察(学級担任等の日常の健康観察)によって、口腔機能に問題がある児童生徒を歯科健康診断時にスクリーニングをすることは可能であると考えます。歯科医師所見欄に記入してください。

A

口腔内に手指が直接触れないように診査する方法として、ダブルミラーによる診査法がありますが、ダブルミラー法での診査に限定しているわけではありません。ペンライトとミラーとを用いた診査法も推奨されます。ただし、口腔内に手指が直接触れた場合は必ず手指を消毒する必要があります。また、グローブを着用している場合はグローブの交換が必要です。重要なことは清潔と不潔とをしっかり区別することです。

A

通信制高校は学校教育法にある一条校になりますので学校歯科医の配置が必要であると解釈されます。

学校保健安全法
第二条 この法律において「学校」とは学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校をいう。
第二十三条 学校には、学校医を置くものとする。
2 大学以外の学校には、学校歯科医及び学校薬剤師を置くものとする。

学校教育法
第一条 この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。

A

学校健康診断は学校保健安全法第十三条で定められており、同法施行規則第二十三条で学校歯科医の職務執行の準則において、学校歯科医が歯科健康診断を行う旨が規定されています。したがって、学校歯科医以外の施設で歯科健康診断を行う場合の費用は基本的には本人(保護者)負担になると考えられます。

A

学校歯科医の配置基準は各学校設置自治体の教育委員会の設置規則・設置要綱等に従うことになります。

A

健康診断時の記録者について規定はありません。重要なことは、学級担任や養護教諭に児童生徒一人一人の課題を理解してもらうことです。同行した歯科衛生士や歯科助手が記録者の場合は、児童生徒一人一人の課題について学級担任や養護教諭に伝え、理解してもらう時間を設ける必要があります。

A

健康診断は学校保健安全法第13条で定められており、同法施行規則第23条の学校歯科医の職務執行の準則において「学校歯科医が歯科健康診断を行う」と規定されています。つまり、学校歯科医でない歯科医師が健康診断を行うことは想定外ということです。しかし、実際には学校歯科医や学校の都合で学校歯科医を含む複数の歯科医師で健康診断を行うこともあります。健康診断結果の信頼性を確保するための管理は学校歯科医の責任です。複数の歯科医師で健康診断を行う場合は、事前にCOやGO等の学校歯科独自の考え方の共通理解や日本学校歯科医会発行の様々な資料を用いて診断基準打ち合わせを実施して健康診断結果の一致性を高める必要があります。

A

中学1年生です。(学校教育法十七条就学義務ならびに年齢計算ニ関スル法律により)

A

大文字のDMFは永久歯を意味します。したがって、乳歯は含みません。

A

DMF歯数もDMF指数も誤りではありません。実際の指数としては、DMFT指数の形で示されます。DMFT指数は、集団における1人平均DMF歯数を表しています。

A

押印は省略してもかまいません。

学校保健安全法施行規則の一部を改正する省令(令和2年文部科学省令第三十九号。令和2年11月13日公布)において、就学時健康診断票の担当医師又は担当歯科医が「『担当医師所見』及び『担当歯科医師所見』の欄」に押印する旨の規定は,担当医師等の氏名を記入する旨の規定に改められました。また,学校保健安全法施行規則第8条に学校において作成する旨が規定されている児童生徒等の健康診断票における学校医等による押印についても,就学時健康診断票の改正趣旨に鑑み,同様の取扱いとして差し支えないこととしています。

A

歯式の欄に記入された事項について上下左右の歯数を集計した数を該当欄に記入するものであるため、乳歯Dは「×」、永久歯4は「/」と歯式の欄に記入し、どちらも乳歯・永久歯それぞれの現在歯数に数えてください。このような場合には、できるだけ速やかに、乳歯を抜去するよう指導してください。

保健教育に関する質問

A

CやCOの多数保有は、長期にわたる不適切な生活習慣によって引き起こされたものと考えられます。個別指導を行うにあたり、局所的視点だけでなく食習慣を含めた生活習慣や家庭環境等、多面的に生活環境を把握して個々に応じた指導を行う必要があります。COの事後措置は、学校での保健指導を基本としていますが、COが多数みられるなど、地域の歯科医療機関と連携して専門的な管理を行うことが望ましいと判断した場合は『CO要相談』として歯科受診勧告を行います。 Cの事後措置は、確定診断と治療・指導のために歯科受診勧告を行いますが、Cが多数みられる場合は、歯科医療機関での治療・指導と並行して、学校での保健指導も必要となります。このように、C・COの多数保有者に対しては、学校と歯科医療機関が連携して個々に応じた保健指導を行うことが効果的と考えます。また、家庭環境等に問題がある場合もあり地域の関係機関との連携が必要な場合もあります。

A

健全歯の記載はありません。学校保健統計ではそれぞれの年齢の未処置歯率と処置歯率を足したものを100%から引いて下さい。但し、乳歯と永久歯の区別はありません。また、喪失歯の影響はごく僅かですが考慮に入れられてはいません。

A

学校保健安全法のまとめは、『学校歯科医の活動指針(令和3年改訂版)』の資料編p8~に記載されており、詳しくは文部科学省ホームページを見てください。

A

う歯については保険診療であればすべて援助の対象となりました。(平成16年4月1日 学校保健法施行令の一部を改正する政令の施行について 16文科ス第35号)『学校歯科医の活動指針(令和3年改訂版)』資料編p.46に、学校保健安全法による要保護および準要保護児童・生徒の医療扶助取り扱いについての記載があります。

組織活動に関する質問

A

学校保健委員会の根拠としては別紙のような通達、答申があります。

昭和 33 年 6 月 16 日付文部省体育局長通達
 「学校保健法および同法施行等の施行にともなう実施基準について」
 法の運営をより効果的にさせるための諸活動たとえば学校保健委員会の開催およびその活動の計画なども(学校保健計画の中に)含むものであって、年間計画および月間計画を立てこれを実施すべきものである。

昭和 47 年 12 月 20 日付文部省保健体育審議会答申
 学校における健康の問題を研究協議し、それを推進するための学校保健委員会の設置を促進し、その運営の強化を図ることが必要である。

平成 9 年 9 月の保健体育審議会答申
 学校における健康の問題を研究・協議する組織である学校保健委員会について、学校における健康教育の推進の観点から、運営の強化を図ることが必要である。その際、校内の協力体制の整備はもとより、外部の専門家の協力を得るとともに、家庭・地域社会の教育力を充実する観点から、学校と家庭・地域社会を結ぶ組織として学校保健委員会を機能させる必要がある。
さらに、地域にある幼稚園や小・中・高等学校の学校保健委員会が連携して、地域の子どもたちの健康問題の協議等を行うため、地域学校保健委員会の設置の促進に努めることが必要である。

平成 20 年 1 月の中央教育審議会答申「子どもの心身の健康を守り、安全・安心を確保するために学校全体としての取組を進めるための方策について」
 3 学校、家庭、地域社会の連携の推進
 (1)学校保健委員会
 ① 学校保健委員会は、学校における健康に関する課題を研究協議し、健康づくりを推進するための組織である。学校保健委員会は、校長、養護教諭・栄養教諭・学校栄養職員などの教職員、学校医、学校歯科医、学校薬剤師、保護者代表、児童生徒、地域の保健関係機関の代表などを主な委員とし、保健主事が中心となって、運営することとされている。
 ② 学校保健委員会については、昭和 33 年の学校保健法等の施行に伴う文部省の通知において、学校保健計画に規定すべき事項として位置付けられている。また、昭和 47 年の保健体育審議会答申においても、「学校保健委員会の設置を促進し、その運営の強化を図ることが必要である」と提言されているが、平成 17 年度の学校保健員会の設置率は、小学校 81.9%、中学校 78.6%、高等学校 76.7%にとどまっている。また、設置されていても開催されていない学校や、年 1 回のみの開催が多く、充実した議論が行われていないなど質的な課題がある。
 ③ 学校保健委員会を通じて、学校内の保健活動の中心として機能するだけではなく、学校、家庭、地域の関係機関などの連携による効果的な学校保健活動を展開することが可能となることから、その活性化を図っていくことが必要である。
 このため、学校において、学校保健委員会の位置付けを明確化し、先進的な取組を進めている地域の実践事例を参考にするなどして、質の向上や地域間格差の是正を図ることが必要である。さらに、国、地方公共団体において、様々な資料を収集したデータベースを作成し、ホームページから一括してダウンロードできる環境整備を図るとともに、学校においては適切な管理の下に活用することや、普及のために啓発資料を活用した研修会を実施するなどして、学校保健委員会の設置の推進や質の向上を図っていく必要がある。

その他

A

日本学校歯科医会が、昭和60年から提唱し、平成7年の学校健康診断から導入された学校歯科保健の用語です。また、CO、GOともに学校歯科保健の用語であって、臨床の正式な学術用語ではありません。主として学校での保健指導等を行いながら経過を観察し、歯と口腔の健全な育成を目指すことを目的として設定したものです。また、一定期間経過後は、臨時の健康診断を行い、もしCやGになってしまったら、直ちに治療を勧めて下さい。

A

「用字用語の表記等に関する内規」として用字用語の表記の基準は設けています。

A

各地方自治体への地方交付税交付金のなかで、各地方自治体が決定しています。

A

この発言は、むし歯ではなく酸蝕症の実験における見解です。また、健全なエナメル質をもつ児童生徒へ向けての発言ではなく、加齢とともにエナメル質が薄くなったり、歯肉が退縮し歯根が露出してしまったりした中高年以降の方へ向けての発言です。学校現場では今までどおり「給食後の歯みがき」を推奨してください。
このことに関しては、日本小児歯科学会および日本口腔衛生学会の見解がそれぞれのホームページに掲載されていますのでご参照ください。

A

12歳児のDMFTにかわる指標は現在のところ考えられておりません。疾病の被患状況については指数を用いることが一般的であり、学校保健統計調査で長年使用されている12歳児のDMFTは、世界的にも使用されており、現状の把握、集団の比較、年ごとの推移から将来の方向性を予測するなど広く活用されています。

A

歯科受診をしない理由として児童生徒や保護者の歯と口の健康に対する意識が低いことが考えられます。児童生徒や保護者の歯と口の健康に対する意識を高めるためには、学校での歯科保健教育や組織活動が重要となり、学校歯科医の積極的な参加が求められます。健康診断時に学校歯科医から「この歯は早く治してね」「この次の健康診断の時にもう一度確認するからね」などの声かけや担任や養護教諭からのアプローチも有効と思われます。学校歯科医と学校が一体となって粘り強く働きかけていくことが必要です。
歯科受診の費用が払えないなど家庭の経済的な理由もあげられています。これについては、子供の医療費を助成する自治体が増えており、医療券や医療費助成制度の周知によって解決する可能性があります。

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